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香るレシピ・食(スパイス料理、ハーブ、食材)

銀杏の食べ過ぎはなぜ危険?中毒の症状と適切な摂取量・臭いの正体を解説

秋の味覚である殻付きの銀杏。鮮やかな黄色い実と、独特な臭いの原因である酪酸・エナント酸の解説イメージ

イチョウは、約2億年前から姿を変えずに生き続けている「生きた化石」と呼ばれる非常に珍しい樹木です。

そんなイチョウの実である銀杏ですが、美味しい中身とは裏腹に、独特の強烈な香りがあります。

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銀杏独特の、匂いの正体は「酪酸(らくさん)」と「エナント酸」という成分です。

  • 酪酸: 蒸れた靴下や腐敗臭のような不快な臭い。
  • エナント酸: 油が酸化したような臭い。

なぜこれほど臭うのかというと、それは「種を守るための防衛戦略」。動物や鳥に食べられないよう、わざと悪臭を放って遠ざけているのです。まさに自然界の知恵が詰まった香りと言えますね。

一方で動物のタヌキは、「銀杏好き」です。多摩のタヌキの研究では、都市部でも銀杏を食べて種を運んでいることが明らかになっています。

銀杏の悪臭は『種』を守るための拒絶サイン

植物の多くは、動物に実を『食べてもらう』ことで種を運ばせます。それなのに、なぜ銀杏は悪臭を放って動物を遠ざけるのでしょうか?

一見矛盾しているようですが、実はこれ、イチョウが『運んでくれる相手を厳選している』という非常に賢い戦略なのです。

「種」そのものを食べられないため

リンゴなどは「果肉」を食べさせますが、銀杏は「種」そのものが本体です。中身まで食べられると死んでしまうため、外側に悪臭と毒のバリアを張って、大半の動物を遠ざけています。

特定のパートナー(味方)を選ぶため

あの匂いを「エサの合図」と感じる特定の動物(タヌキや、かつての恐竜など)だけに食べてもらい、種を壊さずに遠くへ運んでもらうという、相手を選んだ子孫繁栄戦略をとっています。

銀杏(イチョウ)の果肉は、強烈な臭いとは裏腹に、熟すと非常に糖度が高くなる(約13〜15度前後)ことが知られています。これは、バナナなどの甘い果物に匹敵する数値です。

  • 高い糖度: 熟した果肉(正確には「外種皮」)は糖分を豊富に含みます。しかし、同時に強烈な臭い成分が含まれているため、人間がそのまま食べるのには適していません。
  • 臭いの正体: 悪臭の主な原因は、イチョウ科イチョウ属銀杏の臭いも毒も生存競争 – 響 hibi-kiでも解説されている通り、酪酸(蒸れた靴下のような臭い)やエナント酸(腐敗した油のような臭い)といった成分です。
  • 生存戦略: この「甘さ」と「臭さ」の組み合わせは、イチョウの生存戦略と考えられています。特定の動物(ハクビシンやネズミなど)を誘き寄せて食べてもらい、種子(銀杏)を遠くへ運ばせる一方で、他の外敵を遠ざける役割があるという説があります。 

ニオイと取り扱いの注意!:

  • かぶれに注意: 果肉には「ギンコール酸」などの皮膚炎を引き起こす成分が含まれているため、素手で触ると激しくかぶれる恐れがあります。拾う際はゴム手袋を使用するのが鉄則です。
  • 果肉の除去: 食用にするのは中の種(銀杏)のみです。農家では、長野県のおいしい食べ方で紹介されているように、袋に入れて果肉を腐らせて柔らかくしてから水洗いするなどの工程を経て、臭いと果肉を取り除いています。
  • 臭いの広がり: 路上で果肉が踏み潰されると、ウェザーニュースが報じているように、秋の深まりとともに各地で独特の臭いが広がる光景が見られます。

銀杏は「栄養の宝庫」!でも……

普段口にする銀杏の種子は、でんぷん、カロテン、ビタミンCなどを豊富に含むパワーフードです。

しかし、その栄養の裏には、食べ過ぎると体に牙をむくメチルピリドキシンという有毒成分が潜んでいます。

ユーチューバーの野食ハンター茸本朗(たけもとあきら)さんがギンナンについて面白い動画を投稿していたのでご覧ください。

「銀杏は歳の数まで」という言葉を聞いたことはありませんか? これは単なる迷信ではなく、科学的な根拠があります。

中毒の原因成分「メチルピリドキシン」とは?

銀杏に含まれる中毒成分「メチルピリドキシン」は、体内の「ビタミンB6」の働きを阻害してしまいます。

銀杏中毒が起こる仕組みは、一言で言うと「本物のビタミンB6のふりをして、体をだますから」です。

1.そっくりさんが侵入

・銀杏に含まれる中毒成分「ギンコトキシン(メチルピリドキシン)」は、構造がビタミンB6と非常に似ています。

2.席を奪い取る

・体内でビタミンB6が働こうとする場所に、この「そっくりさん」が先回りして座ってしまいます。

3.神経が暴走する

・本来、ビタミンB6は脳の興奮を抑える成分(GABA)を作る手助けをしています。しかし、席を奪われてB6が働けなくなると、脳のブレーキが効かなくなり、「けいれん」などの神経症状が引き起こされます。

    銀杏を食べ過ぎると、偽物のB6(中毒成分)が増えすぎて、脳のバランスを保つ本物のB6が活動できなくなることが原因です。

    銀杏中毒の主な症状(けいれん・嘔吐など)

    ビタミンB6が足りなくなると、脳の興奮を抑える成分(GABA)が作られなくなり、以下のような症状を引き起こすことがあります。

    • 主な症状: 激しい吐き気、下痢、めまい、そして最悪の場合は「けいれん」や「呼吸困難」。
    • 恐ろしい特徴: この毒素は熱に強く、加熱しても消えません

    結局、一日に何個まで食べていいの?

    中毒症状は、特に解毒能力が未発達な子どもに多く見られます。
    青葉藤が丘駅前ひらやま内科のブログでも注意喚起されている通り、食べる量には十分な注意が必要です。

    一般的な目安は以下の通りです:

    • 大人: 1日10粒程度まで。
    • 子ども: 5歳未満には与えないのが無難。小学生でも1〜2粒程度にとどめましょう。

    栄養豊富で美味しい銀杏ですが、まさに「良薬口に苦し(そして少し危険)」

    旬の味を健康的に楽しむために、栄養と効果を詳しく紹介しているPREZOなどの情報を参考に、適量を守って美味しくいただきましょう。

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